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東京ハウプトコーア有志による
第3回定期演奏会非公式プレ企画
ハイドン天地創造を歌う!
【イタリア番外編】

天地創造イタリア番外編 第2日

カサは炎天下のローマを歩き回って、トレヴィの泉にコインを投げた。
スペイン階段でジェラートを食べた。ベタ?


 

 夕べ遅かったせいかまだ眠い。とりあえず朝食を詰め込んでホテルロビーにてタクシーを待つ。戦闘体制は万全。本日の午前中はローマ半日徒歩観光に参加する。日本語ガイドがついて無料とのことなので、まずは様子見にちょうどいいかなと。



 集合は8:20にバルベリーニ広場。ブッ飛ばすタクシーで乗りつける。ここにはベルニーニ作のローマ・バロックの傑作「トリトンの噴水」がある。法螺貝から水を噴き上げる海神トリトンを4頭のイルカが支える。

 天地創造イタリア番外編のスタートがトリトンの噴水とは何たる偶然。というのも東京ハウプトコーアが天地創造を演奏する第3回定期演奏会の会場は晴海トリトンスクエアにある第一生命ホール。晴海という立地から名前がギリシア神話の海神トリトンに由来するのは、「まああるかな」という感じですが、晴海トリトンスクエアにはこの噴水のレプリカがあるのです。トリトンスクエアのホームページ、「名前とシンボルの由来」をご覧ください。帰国後にホームページを見ていて気がついたのですが、ちょっと不思議な感じ。そんなことない?

 こちらは同じくベルニーニ作の「蜂の噴水」。蜂はフィレンツェ出身の商家バルベリーニ家の紋章。貝は命と豊饒の象徴。

 ガイドのお兄さんに渡された黄色いイヤホン付トランシーバーみたいなのをぶら下げて解説を聞きながらまず到着したのはトレヴィの泉。トレヴィとは三差路の意味。この前から3本の道がのびているのが名前の由来とか。想像していたよりずっと巨大。細い路地を抜けると突如現れます。後ろ向いて肩越しに泉にコインを投げ入れると再びローマを訪れることができるとか。もちろん投げといた。

 

 写真を見てもわかるようにこの日は素晴らしい快晴。刺すような日差しにのどが渇いたので飲み物購入。日本ではまずお目にかからない毒々しい色のスポーツドリンク。







 次にサンティニャーツィオ聖堂。ここは天井のクーポラ(丸天井)がだまし絵になっている珍しい作り。平らな天井が丸いドームに見えるように目の錯覚を利用して描かれている。床に書かれた丸印の位置から見るとドームに見えるけど、そこから離れると「おやっ?」という感じになる。これは隣接するドミニコ会の教会の図書館が日陰に入ってしまうという日照問題があって本当のドームにはできなかったためで、画家であるイエズス会士アンドレア・ポッツォが直径18メートルの平面のキャンパスに手腕をふるったらしい。写真を撮ってもわかりづらいのが残念。
 クーポラ以外の天井画やその他装飾も素晴らしい。天井画はやはりアンドレア・ポッツォの手による「聖イグナティウス・デ・ロヨラの栄光」。こちらも平面に描かれているのだが遠近法で彫刻のように見える。
 今回の旅行では、口を開けたアホ面で天井を見上げるポージングが非常に多かったが、これが記念すべき一発目。

 で、右の写真は国会議事堂があるコロンナ広場にそびえるアウレリウス帝の戦勝記念として193年に完成した円柱(colonna)。国会議事堂だけに警官がいっぱい。

 イタリア統一記念を祝すヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂(下左)を横目にカンピドーリオ広場へ(下中央)。すごい日差しでしょ?ここでしばし休憩。日本と違い湿気はないので日陰に入ればとっても涼しい。さっき買ったスポーツドリンクはもう飲んじゃった。ちなみに正面に建っているのはローマ市庁舎。



  
 さてさてフォロロマーノに到着。フォロ(foro)は公共広場。ここはローマ時代の市民の生活の中心だったところ。2000年前のローマ帝国に思いを馳せる。2000年前はこんなんやったんやでー、とガイドのお兄さんが絵本を広げつつ教えてくれる。新しい街を作る際に建材として再利用されたために崩れちゃってるけど、再利用されなきゃキレイなまま残ってたらしいよ。再利用を免れて、ほぼ当時のままの姿で残っているのが、この次の日に訪れたパンテオン。
 ローマ人の生活に欠かせないオリーブ、イチジク、ブドウの3種類の木が生えている。凱旋門をバックになぜかガッツポーズのハルエル。2000年前には雄弁家たちがハルエルと同じ場所に立ってその弁をふるっていたのでしょう。ガッツポーズだったかどうかは知らないけど。

 ローマではいたるところで「SPQR」の4文字をみかける。これは古代ローマ共和制の成立を記念する言葉で「元老院とローマ市民」という意味のラテン語「Senatus Populusque Romanus」の4文字を取ったものなんだって。凱旋門の上の文字が見えるかな。ちなみに写真のSPQRはフォロロマーノとは関係ない街灯のところにあったもの。ローマとその市民の栄光と誇りを示すこの4文字が街のいたるところにあしらわれてます。

 そしてコロッセオ。コロッセオは石材の間に鉄の流しこんで建物の強度を増していたらしい。でもその後の時代に高価な鉄をやはり再利用するために取っちゃったので崩れちゃったらしい。へぇ。
 と、ここで初めてメンバー5人のそろった写真が出てきたので紹介しよう。前列中央が私カサ。前列右がユカエル。前列左がトモエル。後列左がガッツポーズしていたハルエル。後列右がアカム。よろしくね。

 オリーブの木陰でひと休み。道端のお土産屋を眺めつつバスを待ちます。バスは日本と同じでボタンを押して降りる意思表示をするんだけど、停留所を知らせる車内放送はないので景色と路線図とにらめっこしてボタンを押すしかない。このときはガイドがいたからいいけど。さらにボタンを押しても音とかならないし、ランプもつかない。ちゃんと伝わったかちょっと不安。


 パスを降りてローマ三越で半日ローマツアーは終了、解散。お腹減った。初めての外食はどこで食べようかなと次の目的地スペイン広場に向かいながらキョロキョロ。この時期バカンスなのでお店もお休みが多い。と、そこに私たちの目を引くものが。「アダムの創造」をもじったレンタルバイク屋の看板です。狂喜しつつ3人でカメラを向ける私たちを道行く人は不思議に思ったことでしょう。結局スペイン広場すぐ近くのリストランテへ。マルゲリータをパクリ。



 そしてローマの休日であまりにも有名なスペイン広場に到着。しかしなんとも残念。スペイン階段上に建つトリニタ・デイ・モンティ教会が修復中。PUMAの看板が貼ってある。写真では「え〜」を表してみました。

 ま、気を取り直してお約束のジェラートをいただきます。お店の兄ちゃん、女の子にだけスプーンを袋から出してあげる。これもイタリアと堪えます。

 広場にある船の形をした噴水はやはりベルニーニ先生作の「バルカッチャの噴水」。バルカッチャとはボロ舟という意味で、かつてテヴェレ川が氾濫したときにここに漂着した破船がモデルなんだと。
 お次の写真はポポロ広場のオベリスク。オベリスクは古代エジプトの一枚岩の高く長い直立の記念碑のこと。現在、世界に30本残ってるらしい。オベリスクの語源はギリシャ語の「オベリスコ」。「串」って意味らしい。
 このオベリスクは古代エジプトの当時の都ヘリオポリスの太陽神殿前に立てられたもので、ローマ帝国初代皇帝アウグストゥス(在位B.C.27〜A.D.14)がエジプト征服後に持ち帰ってきたんだって。高さは24メートル、台座を含めると36メートル。


 レオナルド・ダ・ヴィンチ展を眺めたあと、ポポロ広場横のピンチョの丘にヒィヒィ言いながら上りますと、この旅の最大の目的であるシスティーナ礼拝堂のあるヴァチカン、サンピエトロ大聖堂の頭が見えました。「待ってろよー、アダムの創造! 明日拝みにいくからなー!」と気合を入れた瞬間、足元でガツンッというイヤな音。カメラを石畳の上に落としました。動作には異常はないものの、この旅のために新調したカメラの筐体にヘコミが。。。私もヘコミます。

 肩を落とし丘を下りました。16:00にサンタ・マリア・デル・ポポロ教会の扉が開くまでしばし日陰で休憩です。オベリスクの向こうに見える二つの教会。右がサンタ・マリア・デイ・ミラコリ教会、左がサンタ・マリア・デイ・モンテサント教会。二つの教会はとても良く似ているので通称双子教会と呼ばれているとガイドブックで学習。それにしても天気がいい。良すぎる。熱くなった頭をお水で冷やします。常日頃から少しは頭を冷やしてほしいものです。

 サンタ・マリア・デル・ポポロ教会は建設基金を市民(ポポロ=popolo)が出したことからこの名前がついたそうな。中には芸術作品が並んでます。右の写真はピントゥリッキオ作の「幼子キリストの礼拝」。

 そろそろ疲れもMAXに近づきつつありますがボルゲーゼ公園に足を延ばします。「ボルゲーゼ公園は17世紀に枢機卿ボルゲーゼが家族のために作った庭園。」とガイドにある。広さは「てめえの家族は何人だっ!?家族が迷子になるわっ!」という感じ。ローマにもっと長く滞在できるならお弁当を持ってピクニックに来たい素敵な公園です。散歩中の犬も暑いんでしょうね。噴水で水飲んでた。
 公園内の枢機卿の館がそのままボルゲーゼ美術館(上右)になっています。確実に入館するには予約が必要なんだけど、スケジュール的に微妙だったので予約はしていませんでした。しかし閉館間際だったので予約なしで入れました。ラッキー! ベルニーニ、ラファエッロ、ティツィアーノなど、彫刻・絵画の名品がズラリ。特に印象に残っているのはベルニーニの「アポロンとダフネ」(←Sculpturesのfrom the 1620sを選ぼう!)かな。硬い大理石がなんであんなになっちゃうかね。


 美術館を出ると疲れのため会話もほとんどなくなりました。食事をして帰る体力もなくなっていたため駅で何か買って帰ろうということに。とぼとぼ歩く駅までの道のりで、サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会(上左)を撮影。共和国広場に面するこの教会の外観は廃墟のよう。ミケランジェロが古代ローマの遺跡を損なわないようにデザインしたそうな。教会の反対側には4人の妖精が飾る「ナイアディの噴水」(上中央)が。日もかげってきました。
 ローマ最大の駅、テルミニ駅のファーストフードで夕飯を購入。タクシーでホテルに戻ります。写真のパン(上右)はとても不味そうですが、本当に不味かった。。。が、怒る気力もなくみんなベッドへ倒れこみました。「ばたんきゅー」というやつですか。

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